今季のシーズンオフにおける移籍市場において、市場の中心となったのがサガン鳥栖の選手たちだったといっても過言ではない。
チーム事情ももちろんあるであろうが、それでも他チームから集中して選手獲得の話が殺到するということは、高い評価が集中したということだ。
新加入選手が多く、体制も代わったサガン鳥栖で 新たなチャレンジに挑む選手が流通経済大学サッカー部から2選手。
どちらも身体は小さいと表現されるであろう選手だが、存在感はとても大きい。
力強さと衝撃。
彼らが、Jリーグの舞台で即戦力としてピッチに立つ日は きっとそう遠くない。
「高校までは全くの無名の選手。この大学4年間で非常に成長した選手の一人」と中野監督が言う。
タレント揃いであったチームの中で欠かせない1ピースとなっていたのが、佐藤響だ。
身体のサイズこそ小さいが、とにかく強力。それは重厚さ感じる身体からきっと感じることができるであろう。
特に下半身の強さを感じさせる力強いドリブルや、球際の強さは常にチームの攻守に貢献してきた。
サイドのポジションを多彩にこなし、左右どちらでもプレーできるマルチプレーヤーであることも今後、大きな武器となる。
サイドバックから前線の一角までをこなし、守備から攻撃までタイプを使い分けることができるマルチな能力も兼ね揃えている佐藤だが、高校時代はボランチでプレーしていたと言い、攻撃に重きを置いた選手だったという。
「大学4年間で成長した部分は、守備の部分。自分は守備が全然できなかったので守備の部分の成長がなければ試合に出ることも出来ていなかったと思う。誰より力強いパワーを身に付けるために筋トレもかなり頑張った。
そういったトレーニングを積み重ねることができた大学の素晴らしい環境があったからこそ。」
コロナ禍もあり、部内でクラスターが起きた時には長い間走ることさえも許されない時期もあり身体の筋力を維持するにも難しい時期も経験したが、常に佐藤響はピッチの上で強く在り続けた。
力強さに加え、運動量も抜群。ボール奪取はもちろん、ボールを相手に取られることも少なく、ひとつひとつのプレーにパワーを感じさせる迫力を持つ。
「サガン鳥栖のホームスタジアムは非常に良いスタジアム。ピッチと客席が近くて観てくれている側に臨場感があると思うし、自分たちからもサポーターのみなさんがかなり近くに感じると思う。
早くあのピッチの上でチームの一員としてプレーをして、サポーターのみなさんと戦いたい」という佐藤響。
流経大にはもちろんプロサッカー選手を目指して入学した。
18歳時に全くの無名だった選手だが、急激な成長を遂げた4年間を経て、J1のチームに必要とされる選手となった。
今季、多くの選手が新たに加入し昨年までとは違った大きな変化を迎えるであろうサガン鳥栖で、持ち味を持ってまずは開幕スタメンを目指す。
PROFILE:佐藤 響
2000年3月21日生まれ
ヴェルディS.S.小山→水戸啓明高等学校→流通経済大学
菊地泰智。
この名前をはじめて耳にしたのは、かなり前のことだった。
浦和レッズジュニアユース時代から、そのセンスと左足から放たれるシュートやパスの評価の高さが噂になるほどだったが、実際にこの目で見てこの選手は。と思わず息を呑んだのは高校3年時の高校選手権だった。
付属高から多くの選手が毎年大学へと進級することとなるが、この世代の流経大柏から上がってくる選手たちは必ずチェックが必要だと向かったその先で衝撃を覚えたことを思い出す。
センスの良さ、左足から繰り広げられる魔法のような展開、久々の「衝撃」だった。
ボールを持つと何かを起こしてくれる、次の一手は何か、と期待するそんなワクワクさを感じさせた。
観る側はもちろん、試合相手の意表を突く瞬間を何度も創り出し魅せることができる。
この選手が大学4年間で、どんな選手になるのであろうという未来を展望させる、そんな選手だった。
大学1年時からトップチームでの試合に出場する機会を得て、関東大学サッカーリーグというまたひとつステージが上がった戦いの場で、その能力はさらに幅広いものになっていく。
2年生時に出場した天皇杯では、チームの状況としては当時リーグ戦でかなり苦しんでいた時期だったが、それでも浦和レッズを相手に何度も会場を湧かせるプレーを魅せ、記憶に残るゴールを決めた。
そのゴールを含め、多くの浦和レッズサポーターの記憶に残る試合となり、試合後大きな拍手が会場を包んだ。
怪我により思うようにプレーできない時期もあったが、常に菊地泰智は「菊地泰智」だった。Jリーグクラブとの練習試合、Jリーグチームへの練習参加も含め対戦相手がどこであっても味方が誰であっても菊地泰智ここに在り、をしっかり示す。
プロと大学の大きな違いはと問うと、具体的なプレーの部分やピッチの上のことではなく、
「応援してもらえる、ということ」と答えた。
「人がたくさん観に来てくれている試合という状況に自分は燃えるタイプ。
たくさんの人が入っているだけでもプレーが違うのに、その多くの人に応援してもらってるという状況でのピッチはきっとすごく力になる。
人を喜ばせる、湧くプレーをしようと思えるんです。だから、プロと大学の違いはそこかな、と思います。
大学も多くの人が観に来てくれてる試合はあるけれど、Jリーグの観客数とはやっぱり全然違うから。早く(サポーターで)いっぱいのスタジアムでプレーがしたいです」
彼の左足から繰り出される予測できないプレーの数々は、多くの観客を湧かせることができるであろう。
ボールを持つだけで、次は何を起こしてくれるのかという期待値が上がり、高揚する。
試合中、自分のパスやシュートでうまくいかないとダメだったか、という顔をして
その試合中に即座に細かな修正を行い、さっきのがダメだったからじゃあこれはどう?といったメッセージ感じるプレーが観れるのも彼のプレーの魅力だ。
大学4年間での自身の成長を「シュートコースが増えたこと」と話した菊地。
常に飄々と落ち着き、当たり前のことのようにこなす。常にボールに触り続け、ボールと会話しているような当たり前にそこにボールがあるような、そんな姿もよく目にした。
チームの彩りに変化を付けながら、展開を創ることのできるレフティ。
サガン鳥栖にはいない選手、そう中野監督は表現した。
小さな身体だが、サッカーを観て面白いのってこういうプレーの瞬間を魅せてくれることだったな、と思わせてくれる。
それが、菊池泰智という選手だ。
PROFILE:菊池 泰智
1999年5月7日生まれ
浦和辻サッカー少年団→浦和レッズジュニアユース→流通経済大学付属柏高等学校→流通経済大学
TEXT: IIMORI TOMOKO
EDIT: SHIOZAKI TAKAHITO
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